医科への連携

歯科と医科は診療部位は違えど口は身体の一部であり、身体の単位で見れば役割分担のようなものです

一つの疾患の中に医科の分野・歯科の分野が混在しているような場合には積極的に医科との連携をいたします

●極度の口腔乾燥(ドライマウス)
難病の1つであるシェーグレン症候群の可能性が高いです 唾液量検査で疑わしい時は即、専門医への紹介をしています
ラッキーにも歩いて移動できる範囲に専門医が開院してくださいました!
シェーグレンでは虫歯や歯周病のリスクが非常に高いので、当院では口腔管理を担当します

 ●睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は「日中眠い」ということだけが問題なのではなく、夜間の低酸素状態が全身に悪影響を及ぼすことが最大の問題です
当院では2003年から医科からの依頼を受けて無呼吸症対応のマウスピースを製作しています
このマウスピースは健康な歯で支える必要がありますので、虫歯治療・歯周病治療が必要になる場合があります 
(逆に必要な治療をせずにマウスピースを使用すると歯を失う原因になり得ます)


●糖尿病
糖尿病は歯周病の惹起・悪化につながり、歯周病のコントロールは糖尿病のコントロールにつながることが研究で明らかになっています
当院ではその場しのぎのクリーニングではなく継続的に口の中の衛生管理をすることで血糖コントロールのお手伝いをしています また、しっかり食べられない状態は糖尿病治療の妨げになったり低血糖の原因になりますので 十分な歯周病治療をベースに機能できる歯を作ってサポートいたします

糖尿病連携手帳をお持ちの方はご提示ください 歯科で記入するところがあります

お持ちでない方は当院でもお渡しできるよう準備してありますのでお声かけください


●禁煙への応援
タバコに含まれる様々な有害物質はお口の中にも悪影響を及ぼしており、歯周病を惹起・重症化・難治化させていきます
当院では積極的に禁煙をおすすめしており、医科的なサポートが必要な場合やご希望の方には禁煙外来をご紹介しています
 

●金属アレルギー
歯科で使用されている金属にアレルギーがある場合、掌蹠膿疱症や何故かすっきりしない体調不良、難治性のニキビなどにつながることがあります
歯科の金属成分は非常に種類が多いため、歯科金属を調べてくれる皮膚科でのアレルギー検査が必要となります
アレルギーのある金属成分が特定されたら、その成分のない材料で治療を行います
現在では全く金属成分を使わない治療にも健康保険が適応されるようになってきましたので金属アレルギーがある方は一度専門的な検査をおすすめしています
当院からは歩いてすぐの皮膚科と連携をとり歯科金属のアレルギー検査をお願いしています

●蓄膿症(副鼻腔炎)
鼻の両脇にある空洞に炎症を起こすものです
歯の根が近接しているため、歯の痛みとして症状がでる方が多いです
レントゲンや臨床症状、歯の状態から蓄膿症(副鼻腔炎)が疑われる場合には耳鼻科への連携をいたします

●妊婦さん
妊娠は病気ではありませんが、つわりなどで口腔衛生が保てなかったりホルモンバランスの変化によって歯肉が腫れやすくなったり、歯周病が悪化したりします
虫歯や歯周病があるままにしておくと口の中の菌が赤ちゃんに感染したり 歯周病菌によって早産となることが研究で明らかになっています
治療可能な安定期を利用して限られた期間内にできるだけ細菌数を減らすための治療やクリーニングを行っています

●骨粗鬆症で特定の薬を服用・注射している
骨粗鬆症の薬の中には、歯を抜いた後に骨が腐っていくリスクの高い薬があります
ひと昔前までは休薬して処置する方向でしたが、現在では医科の先生と情報交換し、薬を継続しながらできるだけリスクを減らす工夫をして処置を行っています

●人工透析中である
人工透析では透析中に血液が固まらないようにと薬を使用しています 外科処置をする時はその薬の効果が弱まって、かつ、次の透析予定日までに傷口が落ち着くようなスケジュールを組む必要があります 

上記以外の疾患をお持ちの方で治療上医科の先生との連携が望ましい場合には文章でのやりとりなどによって連絡を取り合って安全に歯科治療を行えるようにしています