口腔機能訓練


日本の医療はとても高い水準であるにも関わらず「病気になったら治す」という考え方が根強くなかなか予防の概念が出てきませんでした
国民の方がよっぽど予防に関心が高く、TVでも健康番組が多く放映され、自宅でできる〇〇予防!
なんて特集がとても多くなりましたよね。
そんな「予防」の概念が一足遅れてようやく国も認識し実行へのステップとなりました

1989年(平成元年)より厚生省(当時)と日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動8020運動」は30年続けてきたことで2人に1人が8020を達成するようになりました   1975年当時は2%程度だったわけですから本当に素晴らしいことです

がしかし、歯の本数はあっても、それを使いこなして問題なく食べられているか となるとそうではない 
というのが現状であり、今後の課題であります
顎の筋肉、舌の動き、飲み込む時のノドの機能、などなど食べる飲むのに必要な機能が低下してしまうと「歯」というせっかくの道具もうまく使いこなすことができない ということです
これはご自身の歯だけでなく、義歯であっても同じことであり、むしろ義歯を使いこなす方がより大変です

食べるために必要な機能が低下し始めた頃・・・
できるだけ早くに気付いて、できるだけ早くにトレーニングを行うと
 機能が回復していく 

そこに重点を置いたことで「戻るうちに戻そう」という取り組みが実現し、健康保険で口の機能を検査したり機能訓練ができるようになった というわけです

食べる・飲み込む に必要な筋肉の低下は男性の方がより強く出るようです
女性に比べておしゃべりの頻度や時間が少なくて口周りの筋肉を使う機会が少ないのと のどぼとけの重みで筋肉が下がりやすいことが原因とのことで 寡黙な男性は要注意です

当院の院長も実は数年前はちょっとむせやすくなったなと感じていたそうです その後筋肉トレーニングを行ったことで今はむせることもなくなり食事がラクに楽しくできるようになったとのことで、早めのトレーニングで機能回復できるという良い実例になりました

食事を美味しく楽しくラクにいただける ということは大きな幸せであり、また、しっかり栄養をとるということは健康寿命をのばすキーポイントでもあります

歳だから、、、と諦めず、機能訓練を習慣にしてみませんか?

機能訓練は簡単な体操による筋肉トレーニングです 
息が切れるような激しいトレーニングではありません